そもそもエネルギー(カロリー)ってなに?
カロリー(cal)は本来エネルギーの単位を指し、一般的には、「熱量」または「エネルギー量」を表します。
1calは「水1gを1気圧のもとで1℃上昇させるのに必要な熱量」と定義されています。
食品の場合、タンパク質が1gで約4,000calなります。1,000g=1㎏のように通常はキロ(k)をつけるため、4,000calは4kcal(キロカロリー)と表記します。
エネルギーは、人間が生命を維持し体を動かすために必要な活動の源です。
寝ている時間も、心臓を動かしたり、呼吸のために筋肉を動かしたりし、さらに脳を働かせるために栄養が送られています。
人間は、このような生命活動の維持に必要なエネルギーをすべて食品から摂取しているのです。
そして、食品のなかでエネルギー源となるのは、タンパク質(4kcal/g)、脂質(9kcal/g)、炭水化物(4kcal/g)で、これらは三大栄養素と呼ばれています。
摂取エネルギーの制限はダイエットに効果的?
太る・痩せるのメカニズムは、簡単に言うとエネルギー摂取量(in)と活動エネルギー量(out)の、エネルギー収支バランスです。
食べたエネルギー量よりも動いて消費したエネルギー量の方が多ければ痩せていきますし、食べるばかりで活動量が少なければ太りやすくなります。
しかし、先ほどお話したとおり、寝ているだけでもエネルギーは消費されています。
この最低限のエネルギー量は「基礎代謝量」と呼ばれ、基礎代謝量のカロリーは補給しなければなりません。
その基礎代謝量の目安については、厚生労働省から「日本人の食事摂取基準」が報告されており、健康な日本人の目安が分かります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000041824.html
これはあくまでも目安であり、個人差があります。
体組成計などで計測すると、自分の値が正しく出せるでしょう。
参考までに「日本人の食事摂取基準(2015年版)」に記載されている基礎代謝量は、以下のように記されています。
18~29歳男性1,520kcal
18~29歳女性1,110kcal
30~40代男性1,530kcal
30~40代女性1,150kcal
50~60代男性1,400kcal
50~60代女性1,100kcal
70代~ 男性1,290kcal
70代~ 女性1,020kcal
(食事摂取基準は2020年に改訂予定なので、数値が変わる可能性があります)
健康な方であれば、最低でも男性は1,400kcal以上、女性の場合1,000kcal以上は摂取すべきです。
加えて、一日の必要エネルギー量は、基礎代謝量に活動量が追加されたものになりますので、デスクワーク中心で体を動かさない生活の方は+500kcal程度、スポーツを毎日する習慣がある方なら+1,000kcalが活動量となります。
エネルギー制限をする場合は、この活動量分のエネルギーの範囲内でコントロールしましょう。
エネルギーは三大栄養素から補給しますが、これも「日本人の食事摂取基準(2015年版)」にて理想のバランスが示されており、一日に必要なエネルギー量を100%としたとき、タンパク質は13~20%、脂質は20~30%、炭水化物は65%のバランスが良いとされています。
これを実際の食事に当てはめると、一汁三菜のような食事がバランスの良い食事と言えるでしょう。